◆ストレスを溜めない思考法
◇自分をほめる

 ストレスを溜めないために、自分をほめることを心がけよう。人生は楽しいばかりでなく、辛く悲しいときもあるし、ときには誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれない。それでも前に進むために、まずは懸命に生きる自分をほめるのだ。

 自分で自分をほめるコツは、「いいところ探し」をすることだ。今日はこんなことをがんばった、Aさんに喜んでもらえた………と、自分のいいところを探してほめれば、自己肯定感が高まる。一日を振り返って、自分の行動を3つ、ほめてみよう。

◇ネガティブな感情を手放す

 苦しみや悲しみの感情を手放すのは難しいかもしれない。だが、そうした感情にとらわれすぎず、目指す方向に動き出すことが、ストレスを溜めないコツだ。

 とらわれすぎている状態を手放す方法は、3つある。まずは「今、ここ」に集中すること。不安が襲ってきたときは「掃除に励む」「漫画を読む」「呼吸に意識を向ける」など、不安以外のものに集中する。

 2つ目は、目標に集中し、行動すること。著者が営業の仕事をしていたとき、目標が達成できず、焦りと不安に襲われていた。そこで、数字ではなく成約の本数を目標にし、目標に向けて努力することにした。すると、小さな数字でも1本は1本として、ひとつひとつのつながりを大切にすることができ、顧客が増えて、目標数字も達成できた。望ましい未来の実現に向けて集中することで、焦りや不安を手放すことができたのだ。

 3つ目は、ポジティブな宣言をすること。自ら宣言することでネガティブな思い込みを手放し、願いを叶えるべく潜在意識に働きかけることを「アファーメーション」という。受験勉強のときに「必ず合格するぞ!」「やればできる!」などと言葉にしたり、書いた紙を机の前に貼って眺めたりするのも、アファーメーションの一つだ。

◇相手に期待しすぎない

 ストレスを溜めないためには、相手に期待しすぎないことも大事だ。その上で、「してくれなかったこと」ではなく「してくれたこと」に意識を向けて、相手に感謝することを心がける。

 とはいえ、あなたがリーダーなら、部下には期待通り動いてもらわないと困るだろう。実際、リーダー研修では、「部下が思うように動いてくれない」という意見が多くあがる。しかし研修で対話を進めていくと、「これくらい言わなくてもわかるだろう」「私の依頼から手をつけるのは当然だろう」などという、無意識の思い込みがあったことに気づく。無意識の思い込みがあるために、自分が考えていることを相手に伝えられておらず、部下は「そんなこと聞いていない……」と理不尽に感じるのだ。