コンサルが見て見ぬふりをする、「失敗確定プロジェクト」の意外な共通点Photo:PIXTA

社運をかけたプロジェクトの成功をコンサルに託しても、あっけなく失敗に終わることがある。実は、その原因の大半がコンサル会社側にある場合、かなりの確率で当てはまる「失敗確定プロジェクトの共通点」があるのだ。あなたの関わるプロジェクトは大丈夫だろうか。(リポタ株式会社代表取締役、経営コンサルタント 中野豊明)

失敗するコンサル・プロジェクトには
「共通点」がある

 東京オリンピックが盛り上がりを見せている。開会前には、コロナ禍における開催の是非について、マスメディアやSNSなどでさまざまに取り沙汰されたが、いざ開幕してみれば、日々研鑽(けんさん)を積んだ世界中のアスリートたちが、今、この瞬間を躍動する姿はやはり美しい。

 そして、どれだけ周到な準備をしても、つらい練習を重ねても、本番のほんのささいなミスで、試合から姿を消すトップアスリートを見るのは本当に切ない。

 それでもほとんどのアスリートは「自分が弱かった」「準備が不十分だった」と自らを振り返る。

 東京オリンピックの開会を間近に控えていたころ、私は続けざまに二つの別々の企業の大きなコンサル・プロジェクトが炎上しているという話を聞いた。どちらもレガシーシステムと呼ばれるその会社に古くからある基幹システムを、新しいパッケージ・システムに刷新するというプロジェクトだ。

 そして、その主な原因を聞いた時、「やはり、そうか」と思わざるを得なかった。実は、異なるコンサル会社が担当する二つの大規模な基幹システム刷新プロジェクトは、どちらも同じ原因で頓挫しているのだ。