コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度の鉄道(JR)編だ。
JR東海、新幹線利用が15カ月ぶりの前年超えでも
「素直に喜べない」ワケ
鉄道(JR)の主要4社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯JR東日本の鉄道営業収入
4月度:前年同月比214.4%(114.4%増)
5月度:同163.7%(63.7%増)
6月度:同105.0%(5.0%増)
◯JR東海の新幹線の利用状況(東京口)
4月度:前年同月比349%(249%増)
5月度:同253%(153%増)
6月度:同125%(25%増)
◯JR西日本の運輸取扱収入
4月度:前年同月比217.9%(117.9%増)
5月度:同147.4%(47.4%増)
6月度:同96.5%(3.5%減)
◯JR九州の運輸取扱収入
4月度:前年同月比232.6%(132.6%増)
5月度:同140.7%(40.7%増)
6月度:同101.3%(1.3%増)
6月度の月次業績データを確認すると、JR西日本以外の3社全てが前年実績を超えている。
中でも、JR東海に至っては新幹線の利用状況(東京口、前年同月比)が125%(25%増)と大幅増だ。だが、JR東海にはこの実績を「素直に喜べない」理由がある。