グローバルで苦境に陥ったハーレーダビッドソンは昨年5月、経営体制を一新し、大改革に乗り出している。二輪車の雄はいかにして復活を目指すのか。昨年12月にライバルのハーレーダビッドソンジャパン社長に転じた野田一夫氏に話を聞いた。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 松本裕樹)
ハーレー苦境の理由は
競合他社のレベル向上
日本のみならず、世界のハーレーダビッドソンとしてのビジョンを一言で表すと、「もう一度、世界で最も憧れられるモーターサイクルブランドになる」ということです。
ハーレーダビッドソンは今でも憧れのブランドであるとは思います。
顧客ロイヤルティーも非常に高く、ハーレーオーナーの中には、ハーレーの入れ墨を入れている人も少なくありません。
しかし、例えば日本の市場を見たとき、ハーレーダビッドソンが絶対的に1番のブランドかといえば、そうではないと思っています。
なぜこのような状況になってしまったのか。
それは、ハーレーが何か間違ったことをしたというのではなく、競合他社のレベルが上がってきたのが原因だと考えています。競合他社の変化に対し、ハーレーは十分な手を打てていなかったのです。
今の二輪車業界は戦国時代のように感じます。
自動車業界はすでに寡占状態ですが、二輪車は各社がブランディングを強化したり、さまざまな改革をしていて、競争が激しく、一番面白い時期だと思います。