マラソンブームといわれて十数年がたつ。この間、全国各地でマラソン大会が新設されたが、昨年春以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が相次いだ。この秋から再開する動きも見られ、筆者も期待してトレーニングに励む一人だ。実は、記事でコメントを引用する「全国紙社会部デスク」は後輩たちなのだが、よく「20~30代は不摂生だったのに、どうやってフルマラソンを走れるようになったのか」と尋ねられる。地方のデスク時代に一念発起したのだが、後輩たちも健康面でいろいろ思うところがあるようだ。後輩たちと同様、挑戦してみようという読者の方々に「少しでも参考になれば」と、メタボのドシロウトが自己流でフルを完走するまでの実体験をご紹介したい。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
40歳で始めた時は
500メートルが限界
筆者が走り始めようと思ったのは冒頭に書いた通り、県庁所在地の政令指定市にデスクとして配属された40歳の時だ。
配属直後の春、健康診断で要精密検査が複数見つかり、産業医に「このままじゃ定年を迎えず死にますよ」と凄まれた。実は直前、(メタボ界の)「大御所」の異名を取っていた友人が亡くなっていた。葬儀に出席し、ひつぎにすがる奥様と子どもの姿を見て、身に詰まされる思いだった。