スタンフォード大学・オンラインハイスクールはオンラインにもかかわらず、全米トップ10の常連で、2020年は全米の大学進学校1位となった。
世界最高峰の中1から高3の天才児、計900人(30ヵ国)がリアルタイムのオンラインセミナーで学んでいる。
そのトップがオンライン教育の世界的リーダーでもある星友啓校長だ。
全米トップ校の白熱授業を再現。予測不可能な時代に、シリコンバレーの中心でエリートたちが密かに学ぶ最高の生存戦略を初公開した、星校長のデビュー作『スタンフォード式生き抜く力』が話題となり、ロングセラーとなっている。
ベストセラー作家で“日本一のマーケッター(マーケティングの世界的権威・ECHO賞国際審査員)”と評された神田昌典氏も「現代版『武士道』というべき本。新しい時代に必要な教育が日本人によって示されたと記憶される本になる」と語った本とは一体なにか。
今回は東京大学時代の同期であるUDS株式会社の黒田哲二社長との対談後篇をお届けしよう。(これまでの人気連載はこちら)。

コーポラティブハウスで
空間をつくり、コミュニティをつくる

星友啓(以下、星):前回伺った、入居者が土地取得から参加して自分の家をつくりあげていく集合住宅、コーポラティブハウスについてもう少し詳しく聞きたいんですが。

黒田哲二(以下、黒田):コーポラティブハウスの一番のメリットは、つくり上げていく過程で同じ建物で暮らしていくことになる入居者同士のコミュニティができるところです。

こういうコミュニティの「点」を増やして、まちをより豊かなものにしていけないかというのが私たちの会社UDSのスタートで、多くの事業を手がけるようになっても根本にあるDNAですね。

【東大卒校長vs東大卒経営者 後篇】世界がワクワクする「コモン」のつくり方

星:上のコーポラティブハウスの写真を見ると、一つひとつの部屋の形が全然違いますよね。

画一的な部屋が並んで、そこにいろいろな家族が入る通常のマンションとはまったく違いますね。外観からもコンセプトが伝わってきます。

黒田:通常、マンションを建てる場合、広告を出したり、モデルルームをつくったり、様々な経費がかかるんです。

それに対して、コーポラティブハウスはその趣旨に賛同する会員組織を事前につくり、その場所に住みたい人を募集して、それぞれの家をつくり上げていくので、そうしたコストがかかりません。

星:そのうえ、多面的なコミュニケーションがありますよね。

画一的につくって売るマンションだと、契約等のコミュニケーションはあるけれど、その人のためにマンションの中に部屋をつくるという意味でのコミュニケーションは希薄ですもんね。

黒田:そうです。人生で一番高い、大切な買い物なのに、「それでいいの?」というのがコーポラティブ事業のはじまりでした。

よきコミュニティのつくりかた

星:つくる人と使う人が初期段階からコミュニケーションをとり、高レベルのエンゲージメントを形成していくというのは、他の場面でも大切でしょうね。

例えば、学校で先生たち用のルールをつくる際、こちらは運営側なので勝手にルールをつくって「これでやってください」と言える立場ですが、実際にルールを使う先生たちと話し合いながら決めていくほうがはるかにいい結果になります。

【東大卒校長vs東大卒経営者 後篇】世界がワクワクする「コモン」のつくり方黒田哲二(くろだ・てつじ)
UDS株式会社 代表取締役社長
1977年神戸生まれ、東京育ち。東京大学工学部建築学科卒業後、隈研吾建築都市設計事務所を経て、2005年株式会社都市デザインシステム(現UDS)入社。企画開発業務を担当。2008年より森ビル株式会社にて虎ノ門ヒルズ開発業務に携わり、新虎通りを中心とした活性化、エリアマネジメントを手がける。2015年10月UDS株式会社へ復帰し国内外プロジェクトの企画を担当。2020年4月より現職。誉都思建筑咨询(北京)有限公司董事長。韓国UDS株式会社取締役。

黒田:一人ひとりに当事者として参加してもらうことが大事です。

星:具体例をあげられますか。

黒田:コーポラティブハウスの場合、共用部についてはみんなで議論して決めます。

例えば、ゴミ置き場をどうするか。ゴミ置き場って、一般的には、マンションに入居したら最初からあるものだと思いますが、分別の仕方や臭いが出ない工夫など自分たちでとことん相談し、納得したうえで決めていきます。

みんな、自分に関わることですから活発な議論が生まれます。

星:入居する人たちはもともと友達ってわけじゃないんですよね。

黒田:むしろ知り合いの人はいないですね。

星:本当に、家をつくると同時にコミュニティもつくるのですね。

コミュニケーションって、考え方の違いを埋めて新しいところに行き着くことだから、当然苦労や対立が伴うでしょうが、それを超えてこそ、いいところにたどりつけるんでしょうね。

黒田:その通りです。