反撃しない人はたたかれ、強い者は擁護される

 言うまでもないことだが、これらの炎上に共通するのは、反撃しづらい社会的弱者である側を狙って差別的な言動をしていることだ。言いやすい相手を選んで罵倒やからかいを浴びせ、それをネタにしている。ネタにしたら自分が潰されることになる相手を選ぶ発信者はいない。

 ただ、 「表現の自由」があり、これらの配信(発信)は今のところ法で規制されているものではない。人々の良識の範囲内で対処されるべきだと考えられている。だからこそ、このような発信を単に「不謹慎」で済ませずに、「NO」を提示していくことが必要だろう。

 一方で思うのはYouTuberたちが炎上した際、登録者数が多かったり、人気のある配信者にはそれなりに擁護の声が上がる。一方で、「おこさまらんち」のように、新参のYouTuberを擁護する人はほとんどいない。ここにも、「弱い者」の方がたたかれやすく、「強い者」は守られる構図がある。

「おこさまらんち」が擁護されるべきだとはひとつも思わないが、一方で著名人たちからメンタリストDaiGo氏への擁護コメントが次々と上がるのも、見ていられないものがある。社会の中の弱者嫌悪(“弱”に対する嫌悪と、“弱”と判定されてはならないという強迫観念)と、権力崇拝は根深いものだと思わずにいられない。