「もう一踏ん張り」が、
思わぬ「奇跡」に繋がる

 変化が起こり始めたのは、12月に入ったころからです。

 それまでに「信頼」をしていただけたお客様からの、紹介案件が増え始めたのです。その傾向は、年明けからさらに加速するとともに、「目先の売上」も“うなぎ登り”となっていきました。

 そして、2月中旬くらいからは新規営業のアポイントをあえてストップ。「日本一」になるために、年度末までに「売上」を最大化すべく、すでに商談に入っている案件の対応に集中することにしました。

 しかし、1位の営業マンがダントツの成績で、2位以下を大きく引き離していましたから、正直なところ、かなり厳しい状況でした。毎週発表される順位表のデータをチェックするたびに、1位との距離に落ち込みましたが、「競争を意識するのではなく、目の前のお客様のために全力を尽くすのみ」と自分に言い聞かせて、一件一件をコツコツと丁寧に対応することだけを考えるようにしていました。

 すると、2月末ごろから「奇跡」というほかない出来事が起こりはじめたのです。

 8月、成績がどん底だったころに、軽井沢に家族旅行に行ったとき、子どもが寝静まってから、不安にかき立てられるように、自動車の中で必死にテレアポをしたことがあります。あのとき、僕は「10件のアポを取るまでやめない」と思って、数時間かけてやり切ったあとに、「もう1件やろう」と思いました。

 そして、そのときに、ずっと連絡ができなかったある人物に、勇気を出して電話をしました。それは、テレビ局時代にご縁をいただいた経営者で、退職の挨拶に伺ったときに、「テレビ局員の金沢さんと一緒に面白いことができると思っていたのに、残念だ」と悲しませてしまった方でした。そんな経緯があっただけに、図々しく保険の営業のために電話するのに気が引けていたのです。

 だけど、その方は、電話を歓迎してくださいました。

 そして、すぐに会ってくださったうえに、“ご祝儀”として保険に加入までしていただけました。しかも、年が明けてから、「妻が相続のことで保険のことを考えているから相談に乗って欲しい」とご連絡をいただいたのです。

 経営者の相続対策となれば、保険契約は高額になることは間違いありません。「奇跡」のような話だけに、一瞬、耳を疑ったほどでした。そして、すぐに奥様とお会いさせていただき、3月上旬に契約をお預かりすることができ、「日本一」へ大きく近づくことができたのです。

お客様の「誕生日」が、
「奇跡」を呼び込んでくれた

 あるいは、こんなこともありました。

 2月に、ある方にご紹介いただいた女性経営者にお目にかかったのですが、その女性は、僕が「プルデンシャルで日本一になるんです」と話すと、たいへん気に入ってくださって、2回目の面会のアポイントをすぐにくださいました。

 ところが、ご多忙なので、2回目のアポイントは15分。その時間内でプレゼンをするようにとの指示を受けたのですが、実際には、その女性経営者が一方的に話して15分がすぎてしまいました。僕は心のなかで、大きなため息をついていましたが、「ごめんね。もう一回来てくれる?」と言ってくださいました。

 しかし、ご指定いただいたアポは3月の第3週。プルデンシャル生命保険では年間成績に計上されるのは3月15日までにお預かりした契約ですから、3月第3週では間に合いません。ところが、「仕方ない……」と諦めかけたときに、その方の誕生日が目に飛び込んできました。

 これも「奇跡」でした。

 なぜなら、その方の誕生日が3月14日だったからです。誕生日を超えたら保険料が高くなります。そのことを伝えると、「なるほど、それは困ったわね。じゃ、この日に来れる?」と3月13日の早朝にアポイントをいただけました。そして、かなり高額のご契約をお預かりすることができたのです。