自分を「被害者」にしている?
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君もわかっていると思うけど、他人のアドバイスを受け取るのも受け取らないのも自分次第で、「自分の選択」なんだ。
人のせいでも周りのせいでもない。これが「自分軸」の考え方だ。
逆に「他人軸」な考え方は、自分のパワーを周囲に明け渡してしまう。
自分のパワーを他人に託してしまうせいで、自分の願いからかえって遠ざかるような経験をすることになるんだ。
すると、思い通りに進まないことを周囲に責任転嫁して、自分を「被害者」にしてしまう。
こんなふうに、自分の選択に責任をもたないのが「他人軸」の考え方だ。
「他人軸」になると、いつも自分以外の何かが悪い、と思って、何もかも非難するようになる。
自分が持つパワーとは、「体験したいことを自分で選ぶことができるパワー」、つまり「自分のリアリティを自分で創るパワー」のことなんだ。
自分のリアリティを創るには「自分軸」じゃないとできない。
「自分が体験したいリアリティ」を選ぶには、軸を自分のハートに置いて、選んでいく必要があるからなんだ。
「他人軸」の考え方だと、誰かのせいで自分はこんな目に遭わされて、社会のせいで自分はこんな状況にさせられている、親が悪い、夫が悪い、学校が政治が、という具合に、自分の思いを他に投影して文句の上に文句を重ねるようになる。
なぜなら、「他人軸」は、出口がないらせん階段をひたすら下降するのみになるからだ。
そして、「他人軸」で否定的な人ほど、自分自身を否定して受け入れない。
自分に自信がないから、さかんに周りの人にアドバイスを求めるようになるんだ。
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シャライーに言われた通り、女性に「自分軸」と「他人軸」の考え方のちがいを伝えた。
けれども、彼女は相変わらず、
「私の状況をどうにかして!
宇宙人のバシャールやエイブラハム(「引き寄せの法則」の教えを伝えている高次元の存在)の講演会に行っているあなたなら、簡単に解決する方法を知っているはずでしょう?
私に魔法をかけて悪いエネルギーを吹き飛ばして!」
と言う。
「あのね、奥さん。『他人軸』では望みを手に入れることは難しいです。
それとね、私があなたの置かれた状況を変えてあげることはできません。
あなた以外に状況を変えることはできないのですよ」
「あら! でも、願いは叶えられるって、バシャールだってエイブラハムだって言ってるじゃない
「自分の願いは、“自分で”叶えることができるということなんです。
誰かに叶えてもらうことはできません。よろしければ、ポジティブに『自分軸』で考えられるよう練習してみましょう」
そう言うと、彼女はガッカリした表情で、「もういいわ」と帰ってしまった。