一読のすすめ

 本書の特長は、麹町中学校で実行された教育改革のレポートとともに、子どもたちへの具体的な声かけの内容が紹介されている点、そしてそれを神経科学的に解説している点にある。大人が子どもにかける言葉の重みを知るとともに、大人自身にも心理的安全性が必要なのだとあらためて気づかせてくれる一冊だ。

評点(5点満点)

総合3.8点(革新性3.0点、明瞭性4.5点、応用性4.0点)

著者情報

工藤勇一(くどう ゆういち)

 横浜創英中学・高等学校長。元・千代田区立麹町中学校校長。1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「未来の教室」とEdTech研究会委員等、公職を歴任。2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務め、教育改革に取り組む。宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止を次々に打ち出した改革は、文部科学省が視察に訪れ、新聞各社・NHK・民放各局などがこぞって取り上げるなど、教育関係者・メディアの間で話題となった。初の著書『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)は10万部を超えるベストセラーに。その他の著書に『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』(SBクリエイティブ)、『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(かんき出版)などがある。

青砥瑞人(あおと みずと)

 株式会社DAncing Einstein代表。日本の高校を中退。米国大学UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の神経科学学部を飛び級卒業。脳の知見を、医学だけでなく人の成長に応用し、かつAIの技術も活用する、NeuroEdTechRとNeuroHRTechRという新しい分野を開拓。同分野において、幾つもの特許を取得する脳神経発明家。新技術も活用し、ドーパミン(DA)が溢れてワクワクが止まらない新しい学び体験と教育・共育をデザインすべく、株式会社DAncing Einsteinを2014年に創設し、Founder CEOも務め、学校、企業、学生、先生、社会人などの垣根を越えた人の成長とウェルビーイングのデザインに携わっている。著書に『BRAIN DRIVEN』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『HAPPY STRESS』(SBクリエィティブ)『4 Focus』(KADOKAWA)などがある。

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