佐藤健のCMで挽回狙う?大林組、テレビ露出を増やすゼネコン写真はイメージです Photo:PIXTA

大林組は1月から、俳優の佐藤健さんを起用したテレビCMを放映。中堅ゼネコンの奥村組も、若手女優を起用したCMを盛んに流しています。ただし、業界でもここまで積極的なのはむしろ少数派。なぜ、テレビ露出の姿勢が大きく異なるのでしょうか。(大手ゼネコン勤務 建山堀男)

CM特設サイトまで作った大林組
「宇宙エレベーター」をさりげなくPR

「宇宙にまいります」
「は?」
「エレベーターで宇宙に行けたら、すてきですよね」
「何の話?」
「未来の話です」

 エレベーター内で交わされる、俳優の佐藤健さんと、矢本悠馬さんの不思議な会話。みなさんもテレビCMでご覧になったことがあるのではないでしょうか。

 スーパーゼネコンの一角である大林組が今年1月から、2人を起用したテレビCMを放映しています。「エレベーターで宇宙に行けたら」とは、同社がかねて構想している「宇宙エレベーター」を意味しているのでしょう。

 これは、地球の自転と同じ速度で回る「静止衛星」と地球上とをケーブルでつなぎ、人や物資を輸送できるようにするという実に壮大な計画です。

 また佐藤さんふんする「おおばや氏」は、自らを「130歳」と言います。同社は1892(明治25)年創業で、来年に創業130年を迎えます。CMは他のバージョンもあり、特設サイトまで設ける力の入れようです。

 ともすれば、奇をてらいすぎていたり、下品極まりないテレビCMさえ氾濫する中で、大林組のそれは映像が美しく、ユーモアもあり、なかなか良い出来ではないのかな、と一人の視聴者としては思うのですが、そもそもなぜ、ゼネコンがテレビCMに力を入れるのでしょうか?