精神疾患は心の骨折だ

「適応障害になりやすい人」に共通するたった一つのマズい習慣Photo: Adobe Stock

──なるほど。では、ふだんは平気そうに見える人、メンタルが強そうに見える人でも、突然発症する可能性もあるんですね。

バク:全然ありますよ。誰でもなる可能性がある病気です。「あの人は何をやっても強いよね」と言われるような人でも、やっぱり折れるときは折れます。

「精神疾患は心の風邪」とよく言われますが、私はむしろ「心の骨折」という表現のほうが近いな、と思っていて。事故にあって骨折してしまう日って、予測できないじゃないですか。それと同じで、心が折れる日は突然来るんです。そして一度折れてしまったら、元気なときと同じ状態にはなかなか戻りません。病院に行き、しっかりと時間をとってリハビリする必要があります。

 よく「〇〇さんは同じ目にあっていたのに大丈夫だったよ」と根性論でなんとかしようとする人がいますが、人それぞれ置かれた環境が違うので、全く同じ出来事に遭遇しても、みんなに同じ症状が現れるとは限らないんですよ。

 同じ事故にあったとしても、みんながみんな骨折するとは限らないのと同じです。当たり所しだいで、軽症で済む人もいれば、重症になってしまう人もいる。他人が我慢しているからといって、自分も我慢しないといけないというのは間違いです。

 他人と比較して落ち込んだり、自分と同じ環境ではない他人と自分を同じ目線で見たりするのは止めましょう。しんどいことから逃げることは、立派な防衛手段の一つなんです。