中国と韓国が台頭。今後の世界の動きは?

 世界の造船竣工量(2019年)は、中国、韓国、日本の3ヵ国で92.2%を占めます。長らく日本が世界最大でしたが、2000年代に中国と韓国が急成長を遂げました。

 韓国は第二次世界大戦後に建国されますが、初代大統領の李承晩が海運業を重要視し、1960年代の「造船5ヵ年計画」により造船事業が始まり、現在にいたります。

 海上荷動き量は増加傾向にありますが、リーマン・ショック以降、2011年をピークに新規造船受注量は減少傾向にあります。

 現在、新型コロナウイルスの影響で石油価格が下落傾向にありますが、エネルギー関連企業は二酸化炭素排出量が少ない液化天然ガス関連事業に力を入れていて、LNG専用船の需要は増大すると考えられています。

 LNGは天然ガスをマイナス162℃で加圧・圧縮して液状にしたもので、液状化の過程で酸化物が除去されるためクリーンエネルギーとして認識されています。

 LNG専用船は、マイナス150℃を下回る極低温タンクに天然ガスを保存するだけの強度が求められるため、高い建造技術を要します。かつては日本企業の得意分野でしたが、現在では中国や韓国でも建造されています。

 2021年1月、日本で造船業界最大手の今治(いまばり)造船と2位のジャパンマリンユナイテッドの資本提携によって「日本シップヤード」が設立されました。中国や韓国に対抗しようとしていますが、道のりは険しそうです。

 2020年の新規受注は、前年比で73%も減少しています(韓国は16%、中国は19%減少)。これは日本の造船業界の技術者不足が背景にあると考えられています。

(本原稿は、書籍『経済は統計から学べ!』の一部を抜粋・編集して掲載しています)