政府の担当閣僚は、「タイは多くの外国人にとって有名な観光地だが、医療用大麻ツーリズムはもう一つの大きな魅力になるだろう」と話している。

 開始まであと数年かかるとされるが、実現されれば日本の患者もタイへ行って治療を受け、病気が治ったり、改善したりという人が出てくるかもしれない。

 タイではまた、新規の大麻産業を育成するための試みも行われている。

 2019年10月、大麻業界専門のコンサルタント会社「エレベーテッド・エステート(EE)」はバンコクのリゾート地で、国内の大麻企業関係者と海外の大麻専門家や投資家などを招き、大麻ビジネス国際会議「カンナビス(大麻)・エキスポ2019:アジアのグリーンラッシュ」を開催した。

 国内の大麻企業関係者にビジネスのノウハウを学んでもらい、同時に海外の企業関係者や投資家にタイでのビジネスチャンスを探ってもらうのが主な目的だという。

 EEの創業者兼CEOのチョクワン・キティ・チョパカ氏は、タイが医療用大麻を合法化した意義についてこう話す。

「大麻の医療使用と研究を認める決定をしたことは、以前は違法だった薬物に対するタイ社会の受容と世界的地位の向上に向けた変化を表しています。大麻が“エッセンシャルな経済作物”となり、経済成長を促し、同時に研究・医療・娯楽の面で人々に利益をもたらすことは今やリアルの可能性です」

 タイの医療用大麻市場は2024年に200億バーツ(約680億円)規模になると推定されている。