「HOSOO」ブランドの西陣織が、
世界一〇〇都市一〇〇店舗で使われている

 近年は、新しい販路を求めて積極的に海外に進出。そしてある出会いをきっかけに、「HOSOO」ブランドの西陣織が、世界を代表するラグジュアリーブランドであるディオールの世界100都市100店舗で内装に使われるようになりました。

 さらに今ではディオールだけにとどまらず、シャネル、エルメス、カルティエなどの一流ブランドの世界中の店舗をも飾るようになりました。

ディオール、シャネル、エルメス、カルティエ、<br />世界の一流ブランドをとりこにする<br />日本の美意識とは何か一流ブランドの内装に使われているHOSOOのテキスタイルのサンプル

 また、ザ・リッツ・カールトン、フォーシーズンズといった五つ星ホテルのインテリアにも「HOSOO」の西陣織が使用されています。西陣織の素材がこれらのラグジュアリーホテルで使われるのは、世界初のことです。

 この細尾の西陣織がこれら世界のラグジュアリーブランドの市場を開拓した経緯は、二〇一八年にハーバード・ビジネス・パブリッシング(ハーバード大学の完全子会社)から「Innovating Tradition at Hosoo」というケーススタディとして販売され、多くの人が知るところとなりました。

 また、国内では二〇二〇年十一月から、トヨタの高級車レクサス「LS」の内装にも細尾の西陣織が使われるようになりました。車の内装に西陣織が使われるのも世界初のことです。

 どれもが、この一〇年ほどで実現したことです。

 これは、ディオール、シャネル、ザ・リッツ・カールトン、レクサスなど世界の一流プレーヤーたちが、自分たちの創造性や世界観を表現するときに、細尾の、そして西陣織の持つ日本の美と、その技術が求められているということなのだと思います。