『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
もう自分は誰だかわかりません。私は親なんでしょうか、私はこれから何になるんでしょうか。
親の思考で生きてきました。
親が子どもの頃にみてた夢を私が代わりにやり遂げました。私は違う職種に就きたかったけど全て否定され、先の見えないものより言われるまま親の言う通りにする方が楽だったから、今ではもうわからないけどやれって言われたからやりました。やらないと暴言を吐かれて、産まなきゃ良かったわと言われて自分が否定されるのが怖くて、言う通りにすると褒められるのでそのまま学歴を重ねました。
四月から私は就きたくもない職種に就きます。私はこれで良かったのかとずっと考えています。本当はやりたくないのにやるんです。こんな気持ちで仕事に向かうのが嫌で、本当にできるのかもわかりません。私は一体なんなのかわかりません。もう自分がなんなのかわかりません。働き出したらとこの頃話されます。あれが欲しい、これが欲しいと言われてもうなんか私はなんなんでしょうか。親の給料袋なんでしょうか。もう自分は誰だかわかりません。私は親なんでしょうか、私はこれから何になるんでしょうか。
押し付けられたものに、意味を与えてみませんか
[読書猿の回答]
厳しいことを言います。
人生の選択を親任せにしたあげく給料袋扱いされて不本意なのに反抗もできない、それがこれまでの、そして今のあなたです。「自分が分からない」のは、その事実を認めたくないからです。
親が決めたものとは言え、幸いあなたにはこれから働くところがあります。
ならば、あなたが今後やるべきは《自分を買い戻す》ためのお金を稼ぎ貯めることです。
家を出るにも、自分のしたいことを探すにも、親と争うにも、お金は要ります。お金は自由そのものではありませんが、自由を得る手段にはなります。
こんな風に、誰かから押し付けられたものですら、自分のために善用することができ、自分にとっての意味を与えることができます。あなたが今までやって来なかったのは、実はこういうことじゃないでしょうか。