日本は「言葉だけがグローバル」

 日本における“内定までの道のり”は、「インターンシップ→エントリー→説明会→面接」といった決まった流れが基本的にあるが、外国人留学生は「世界的に類を見ない活動」だと煙たがる。

 討論会の参加者の一人は「この型にはまった流れが、採用側に『どういう学生が欲しいのか』を分からなくさせているのでは」と疑問を投げかけていた。

 外国人留学生の間では「東京大学の外国人留学生でさえも就活の波に乗れずに失敗して、結局は祖国に帰って行った」という“伝説”もあるくらいだ。多くのグローバル人材はパターン化された日本式就活を「クリエイティビティーにつながるのか」と冷静な視点で見つめている。

都内私大のキャンパスで。留学生との交流を呼びかける活動もある都内私大のキャンパスで。留学生との交流を呼びかける活動もある(著者提供)

 日本企業のグローバル化は進んでいるのか、という本質的な問題に目を向ける人もいた。「『グローバル採用プログラム』を掲げる企業の説明会に行くと“言葉だけのグローバル化”であることにギャップを感じます」とする意見がそれだ。

「言葉だけのグローバル化」とは言い得て妙なり、である。都内の私大に通う中国人留学生H君もまた「名刺に印刷された会社名は英文表記、会社代表もXXCEO、説明会では英語の専門用語を好んで使いますが、日本の企業は外国人に対して、相変わらず偏見に満ちています」と嘆いていた。