コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
好調の半導体関連業界
5社とも四半期増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・東京エレクトロン
増収率:43.6%(四半期の売上高4520億円)
・ルネサスエレクトロニクス
増収率:30.7%(四半期の売上収益2179億円)
・アドバンテスト
増収率:45.5%(四半期の売上高971億円)
・レーザーテック
増収率:7.8%(四半期の売上高183億円)
・ディスコ
増収率:35.4%(四半期の売上高483億円)
半導体関連5社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。中でも東京エレクトロンとアドバンテストは4割超の大幅増収となった。
AI(人工知能)、IoT(あらゆるモノのインターネット接続)、5G(第5世代移動通信システム)など新たなテクノロジーの活用に欠かせないのが半導体。その需要の拡大を受けて、関連業界の業績は好調だ。次ページ以降では、直近の四半期決算で4割超の増収となった2社の増収要因や、各社の増収率がどのように変化してきたのかなど、詳しく解説する。