オリンパスPhoto:Jeremy Moeller/GettyImages

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はテルモ、オリンパス、シスメックスの「医療機器」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

医療機器3社は
四半期3~4割の増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の医療機器業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・テルモ
 増収率:30.8%(四半期の売上収益1717億円)
・オリンパス
 増収率:40.2%(四半期の売上高1915億円)
・シスメックス
 増収率:31.2%(四半期の売上高794億円)

 医療機器3社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。いずれも3~4割の高い増収率を記録している。

 この数字の背景を分析すると、3社はK字型になっていくというコロナ禍からの企業業績の回復においても、「勝ち組」だといえる。その理由とは。次ページ以降で詳しく解説する。