中国のTPP加盟申請は本気、議長国日本の役割は「門前払い」かPhoto:123RF

中国、台湾が相次いで
TPP加盟を申請

 環太平洋経済連携協定(TPP)に中国が正式に加盟を申請した。

 音頭とった米国が国内の風向きが変わって離脱。主役不在の間隙を突く中国の動きに議長国・日本はうろたえる。

 中国の動きを見て台湾も加盟を申請し一段と対応は難しくなった。

「中国にTPPは無理だ」「米国を牽制する政治的アクションではないか」などと本気度を疑う見方が少なくないが、自ら主導してRCEP(地域的な包括的経済連携協定)とTPPを合体させ、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)へと発展させる大きな戦略があるという。

 アジア太平洋を舞台に、自由貿易よりも中国封じ込めを狙った安全保障の枠組み作りが進む中で、地域の安定を考えればTPPで中国を「門前払い」をすることが得策なのかどうか。

 国内に目を向ければ、自民党総裁選ではどの候補からも骨太なアジア太平洋戦略は聞こえてこない。米中の間で日本はどう針路を取るのか。新政権には待ったなしの課題のはずだ。