ひろゆきが語る「会社に残るか、独立するか」を見極めるベストアンサーひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

仕事選びの軸について

 働き方について質問を受けることが多くあります。

 代表的な質問が、「会社に残るべきか、独立すべきか」ということです。

 ハッキリ言ってしまうと、僕なんかにそんなことを聞いている時点で「独立してやっていくのは向いていない」と思うのですが(笑)、1つの軸になることを話そうと思います。

それってあなたの実力?

 まず、独立したいと言うからには「やりたいこと」がハッキリしているのだと思います。

 会社にいるときにいろいろな仕事をやらされてきて、その中でなんとなく「これが天職かも?」とか「この世界を突き詰めたい」というような思いが芽生えたのでしょう。あるいは、会社に搾取されているので「自分だけでやったらもっと稼げるはず」と思う場合もあるでしょう。

 前者のように、お金をいったん脇に置いて「やりたいこと」があるのであれば、遅かれ早かれ独立したほうがいいでしょう。ただ、後者のような場合は、少し冷静になったほうがいいかもしれません。組織にいる中で稼げている売上があるとして、そのバックボーンには、目に見えない価値もあるはずです。企業の看板や実績が後ろ盾になっているから、今の能力が発揮できているかもしれません。

 それを考えずに、自分の力だけで稼げると思うのは、やや早計かもしれませんよね。

 まあ、独立してしまえば、嫌でも稼がなくてはいけませんし、お尻に火がついてプライドも捨てられるかもしれません。そのリスクを楽しめるかどうかですよね。

「起業=幸せ」という嘘

 いずれにしても、「やりたいこと」がなくてダラダラと受動的に働いたり、給料を使い切って生活しているようなタイプなら、そのまま会社に残ったほうが絶対に幸せでしょう。

 僕は、過去の対談で「起業しないと幸せになれないのではないか?」というテーマで話したことがありますが、そんなものは幻想でしかありません。

 フリーとして活躍する人が自分の好きなペースで幸せそうに働いていたり、バリバリ稼いでいたりしても、別にそれはその人の生き方です。「まだ会社で消耗してるの?」なんて押し付けられる筋合いもありませんし、気にしないことです。

 ひと昔前は、「ノマドワーカー」とか言われて持て囃されていましたが、コロナによってリモートワークも定着しました。副業を容認する企業も増えていますし、無理にリスクを負うような時代ではありませんよね。

 ということで、「会社員か、独立か」という二択に縛られず、もっと柔軟に中間点を探るような働き方をすればいいんじゃないでしょうか。特に、インフルエンサーの方々が言う「会社は、いらない」的な言説は無視するようにしましょう。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。