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スポーツ用品メーカー、アシックスの業績が好調だ。2025年12月期には、売り上げ、営業利益、純利益それぞれが過去最高となった。7年前には北米事業などの不振から最終赤字となっていた同社が、「V字回復」できた要因とは何だったのか。(中京大学国際学部・同大学院人文社会科学研究科教授 矢部謙介)
アシックスが過去最高益
経営不振からV字回復できたワケ
アシックスが大きく業績を伸ばしている。
2025年12月期の売上高は約8110億円(前年比約20%増)、営業利益は約1430億円(同約42%増)、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)は約990億円(同約55%増)とそれぞれ過去最高を記録した。
こうした好業績が評価され、株価は22年3月末(終値)の593.5円から26年3月末には4156円となり、この4年間で7倍にまで上昇した。
株式時価総額は23年8月に1兆円、24年7月には2兆円、25年8月に3兆円を突破し、26年4月時点においても3兆円を超える水準で推移している。
そんな業績好調なアシックスだが、廣田康人氏(代表取締役会長CEO)が社長に就任した18年当時の経営は厳しい状況にあった。
18年12月期には、北米事業などの不振から大きな減損損失(事業構造改革費用)を計上し、約200億円もの最終赤字を計上。20年12月期にはコロナ禍などの影響から営業赤字に転落している。
18年8月に公表されたアシックスのアクションプランによれば、当時の経営課題として「本社と販社の連携不足」「機能別組織の弊害」の2点が挙げられている。
マーケティング・企画・開発、生産、流通・販売といった機能ごとに分かれた組織の連携が十分でなく、本社と販社との間で不協和音が生まれることも珍しくなかったとされる。







