現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
才能と年収は比例する?
みなさんは、才能と年収は比例すると思いますか?
才能はあるに越したことはありません。しかし、お金儲けをするためにはもっと別の能力が必要になってきます。
めちゃくちゃ腕のいいシェフがいるといます。彼の作る料理は抜群の味のセンスと絶妙な調理方法で、ミシュランガイドでも毎年星を獲得しているとしましょう。
一方で、そこまで腕があるわけではないけれど、まあまあの料理を作れる人がいるとします。味はまあまあですが、店内のオペレーションを最適化できて、アルバイトの人でも同じ味になるようなマニュアルがあり、フランチャイズの仕組みを利用して全国に一気に店を展開して、店や料理のネーミングの面白さがSNSで拡散されていったとしたら……。
さて、お金を稼げるのは、どちらのシェフなんでしょうか。答えは明らかですよね。
お金を稼げる力
ここで言いたいことは、どちらが偉いということではありません。
三つ星レストランでも、チェーン店でも、それぞれ役割が異なります。大事なプロポーズをするのであればレストランを選ぶでしょうし、気軽に友達とダベりたいだけならチェーン店を選びます。
ただ、お金を稼げる能力とおいしい料理を作れる能力は、まったくの別物ということです。自分が持っている能力が才能だとして、それをどのような場所でどうやって発揮すれば最も大きな効果をあげるのか。そうやって俯瞰してプロデュースする力が必要です。
お金儲けが「苦手な人」とは?
お金儲けが得意な人と苦手な人がいます。
苦手な人の最大の特徴があります。それは、「ブームに乗っかる」ということです。
たとえば、僕の「切り抜き動画」です。これは、僕の会社が許可さえすれば、基本的に誰でも参入できるようにしています。しかし、今からやるのは絶対におすすめしていません。
すでに、ものすごい競争が発生しています。それは、「ブーム」だからです。「ブーム」であることを聞きつけて、多くの人が群がってきています。そんな人たちが稼げるわけがありません。
結局、一番お金を稼げているのは、「こんなことやって意味あるの?」「ひろゆきの切り抜きなんて誰が見るの?」と言われていた頃に始めていた人たちです。彼らは、うまくいくかどうかわからないリスクを負っています。もしかすると、時間の無駄になるかもしれない。そのリスクがあった上で、早くから手をつけています。そういう人が、お金を稼げるのです。
「ブーム」という名のキラーフレーズ
なぜ、ブームにのっかろうとするのでしょうか。
それは、誰の文句も言われないからです。タピオカブームのときにタピオカ店を始めると言っても「ブームだからいいね」と言われるだけでしょう。勘のいい人なら「いまさら遅すぎない?」と言ってくれるかもしれませんが、ブームのときはそちらが少数派になります。
会社であっても同じです。会社の会議で「新商品は、いまブームのマリトッツォがありまして……」「『鬼滅の刃』がブームですので、このキャラクターにあやかって……」というように言えば、おそらく反対意見は少ないでしょう。
「いまブームです」という言葉はキラーフレーズなのです。それによって、死屍累々の便乗商品が世の中に溢れ返ります。
ということで、ブームに乗っかろうとするクセのある人は、今一度、自分のことを客観視してみてください。あるいは、センスがよくて率直に意見を言ってくれる知り合いに「これでいいかな?」と確認するようにしましょう。自分のことは自分では見えないですからね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。