JAL出資の国際線LCC、スタートは貨物便でも「あなどれない」理由2020年12月19日、ZIPAIRの成田~ホノルル線が就航した Photo by Kotaro Toriumi

成田からバンコク、ソウル
将来は北米やヨーロッパへも

 LCC(ローコストキャリア)にもかかわらず、新規就航が貨物便になってしまった前代未聞の航空会社がある。JALが全額出資して設立された日本初の中長距離国際線専門のLCC、ZIPAIRだ。

 2018年5月にJALの赤坂祐二社長が国際線専門のLCCを立ち上げることを発表し、19年3月には新ブランド名をZIPAIRとすることを発表した。そして、20年5月から成田~バンコク線、7月から成田~ソウル線に就航する予定となっていた。

 機体はJALで使われていたボーイング787型機の2機体制でスタートさせる計画で、19年時点では20年度中に北米へ飛ばすことを計画し、将来は北米だけでなくヨーロッパへも飛ばす構想をあきらかにしていた。

 20年12月18日、ZIPAIRの初号機がメディア関係者にお披露目された際に取材した。

 国内のLCCではエコノミークラスのみの1クラス制が一般的だが、海外の中長距離LCCでは一般的である2クラス制とした。

 エコノミークラスに相当する「Standard」が272席、ビジネスクラスに相当する「ZIP Full-Flat」が18席で合計290席とした。