打ち合わせ風景台湾カステラの販売に向けて打ち合わせをするJAL客室乗務員の酒井さん(右)と株式会社わかたむの若杉さん(左) Photo by Kotaro Toriumi

日本航空(JAL)では出向以外にも、客室乗務員が機内以外の新たなフィールドで活躍している。なかでも「ふるさとアンバサダー」と「ふるさと応援隊」は特徴的だ。客室乗務員を出身地などゆかりのある地方に派遣し、地域PRを行うほか、全国の観光地のイベントの手伝いや特産品のPRなどにかかわる。
※本稿は、鳥海高太朗著『コロナ後のエアライン』(宝島社)から一部を抜粋・再編集したものです。

客室乗務員の出身地など
地方に派遣し、PRを行う

 日本航空(JAL)では、出向以外にも自社グループ内のリソースを活用して、客室乗務員が機内以外の新たなフィールドで活躍したり、グループ内のほかの業務を知る研修などを行ったりしている。

 そのなかで2020年10月7日、JAL赤坂祐二社長の社長定例会見で明らかになったのが、ふるさとアンバサダーとふるさと応援隊である。

 ふるさとアンバサダーは、客室乗務員(約20名)を、客室乗務員の出身地などゆかりのある地方に派遣し、地域PRを行う。

 ふるさと応援隊(客室乗務員約1000名)は、乗務をしつつ、全国の観光地のイベントの手伝いや特産品のPRなどにかかわる。

 この創設に際して、JAL本社内にも地域活性化に取り組む専門部署である地域事業本部を立ち上げた。ふるさとアンバサダーは、JALが就航する地方都市の支店・営業所に配属され、現地で生活しながら地方創生のためのさまざまな取り組みを行っている。

 今回お話を聞いたのは地域事業本部支援推進部地域アンバサダー室九州地区ふるさとアンバサダーの酒井麻衣さん。長崎県諫早市出身で13年入社の客室乗務員である。今回九州地区のふるさとアンバサダーに就任し、福岡を拠点に九州全体の地域活性化へ向けた取り組みのプロジェクトに参加している。