ダイヤモンド決算報#製造用機器Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキーエンスやファナックなど「製造用機器・システム」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

キーエンス、ファナックは
四半期5割超の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製造用機器・システム業界6社。対象期間は21年3~6月の直近四半期(安川電機は21年3~5月期、その他5社は21年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・キーエンス
 増収率:54.5%(四半期の売上高1700億円)
・ファナック
 増収率:69.6%(四半期の売上高1853億円)
・SMC
 増収率:42.7%(四半期の売上高1828億円)
・マキタ
 増収率:45.9%(四半期の売上収益1853億円)
・ダイフク
 増収率:5.5%(四半期の売上高1202億円)
・安川電機
 増収率:31.1%(四半期の売上収益1190億円)

 製造用機器・システム業界6社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。特にキーエンスとファナックは5割超の高い増収率を記録している。

 一方で、数字の背景を詳しく見ると、この2社以上に売り上げを大きく伸ばしている企業が他にもある。それはどこなのか。そして、大幅増収となった背景とは何か。次ページ以降で解説する。