「この人、伸びますよ」
ひろゆき氏:前回に語ったように、岡田斗司夫さんやDaiGoさんが続いていくと予想していたんですが、もう一歩伸びていません。それに近いポジションの人が現れるでしょうね。
「この人、伸びるだろうな」と思っているのが、フロリダで投資家をやっている「広瀬隆雄さん」ですね。「じっちゃま」という愛称で呼ばれている人です。
広瀬さんの「Market Hack」は面白いですよ。僕と似て、ダラダラしゃべる系の人です。それでいて、ちゃんと本質を突いています。自分の投資経験が生々しいのでリアルなんですよね。
――「ダラダラしゃべれて、専門性があって、たまに本質を突く」というのが、切り抜きと相性がよさそうなんですね。
ひろゆき氏:そうです。タレントの場合、長く話せるスキルはあるけど、「専門性」が欠けますよね。あと、CMとかをやっていて好感度が高い場合、そんなに本質を突いたことは話せません。守るものがあると、人はつまらなくなるので。
「面白さ」か「正しさ」か
――専門家はチャンスですよね。でも、専門家は専門家で……。
ひろゆき氏:はい(笑)。話が面白くないんですよね。正しいことを話そうとするあまり、エンタメ性に欠けます。面白さと正しさは、トレードオフな関係にあると思うので、どちらかを少し妥協しないといけませんよね。
だから、専門性があるけど、素人目線で語れるような人じゃないといけなくなる。そうすると今度は、「お前は間違っている!」「正しくはこうだ!」という火の粉が飛んできます。その繰り返しで成り立っているのは間違いないですね。
――「炎上」については次回のお話で詳しく聞かせてください。
ひろゆき氏:はい。まあ、遅かれ早かれ、「ポストひろゆき」は出てきますよ。狙って出るというよりは、誰もまったく予想しなかったところから現れるかもしれませんし。ブームってそう言うもんじゃないですか。そこのポジションを守ろうと思っても守れるもんじゃないです。まあ、もともと執着してないですから(笑)。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。