「人生のタイムライン」に乗る

 そして、ゴルフ場で一ラウンド終わったら、どんな方からも、単なる“保険屋”とは見られなくなります。

 僕は、誰とご一緒しても「接待ゴルフ」という感覚はゼロです。紳士のスポーツであるゴルフの精神に則って、ゴルファー同士対等の関係で、とにかく楽しくフェアプレイを楽しむようにしています。

 僕は常にクラブを思いっきり振って、ナイスショットでもOBでも、絶対に前向きなことしか言いません。そして、大好きなゴルフを徹底的に楽しみながら、みなさんとの会話も楽しむのです。

 もちろん、その会話のなかで、「保険」の話など一切しません。だけど、僕がTBSを辞めた理由や、プルデンシャル生命保険で「日本一」になったこと、TOTにも認定されていることなどをお話しすると、ひとりのビジネスマンとして一目置いてくださるようになります。

 しかも、僕は、ゴルフ場では絶対にカートに乗らず、すべて自分の足で歩きますし、ゴルフウェアもゴルフクラブもピンクです(僕はピンクが大好きで、普段着もピンク色の服を着ます)。そんな僕の姿も印象に残るようで、単なる「営業マン」としてではなく、「金沢景敏」という人間として認識してもらえるようになる。そして、「こいつは、なかなか面白いやつだな」「こいつと付き合っておけば、面白そうだ」と思ってもらえるのです。

 これを、僕は「人生のタイムラインに乗る」と表現しています。

 SNSをやっている人はわかっていただけると思いますが、「友達」として承認してもらえると、その人のタイムラインに僕の投稿が流れてくるようになります。それと同じで、「こいつは面白い」「こいつと付き合っておこう」と思ってもらえると、何かあったときに思い出してもらえる存在になれるのです。

 そして、その人の「人生のタイムライン」に乗ることができれば、その人に保険ニーズが生じたときには、僕に連絡をしてくれます。

「保険に入ってほしい」と営業をしても、数いる「営業マン」のなかの「ワン・オブ・ゼム」にしかなれませんが、その人の「人生のタイムライン」に乗ることができれば、あとは待っているだけで「保険に入りたいんだけど、金沢さん、頼むよ」という連絡をいただけるようになるのです。

 そのために重要なのは、自分にしか提供できない「価値」を作り出すことです。

 僕の場合には、それが「お肉」であり「ゴルフ」でした。「お肉」と「ゴルフ」が好きで好きでたまらないから、僕なりにそれらを極めるなかで、僕にしか提供できない「価値」を提供できるようになったのです。

 もちろん、これは僕の場合です。大切なのは、あなたが好きなものをとことん追求していくことです。好きなものだからこそ、他の人には簡単にマネのできない領域にまで高めていくことができるはずです。

 そして、それを他の人と「共有」していこうとしたときに、アッパー層の方々とのコネクションをつくるきっかけが生まれるのです。その意味で、好きなものを追求することで、人生を楽しもうとすることこそが、営業マンとしての「価値」を高めてくれるのだと思うのです(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。