プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。
「営業マン」として働いている限り、
「ワン・オブ・ゼム」にしかなれない
まず、自分が「楽しむ」こと――。
営業マンが「会食」を通して、経営者などのアッパー層とのコネクションをつくるためには、これが非常に大切だと痛感しています。「営業マン」の仕事として会食などをしようとする限り、どうしても限界が生じるからです。
簡単に想像できることですが、アッパー層のもとには保険の営業マンはもちろん、ありとあらゆる分野の営業マンが群がっています。そのなかに、「営業マン」として加わっている限り、相手にとっては「ワン・オブ・ゼム」にすぎません。だから、まず、「営業マンとして会う」という前提を壊す必要があるのです。
そのために最も有効なのが、一人の人間として「自分はこれが好き」「自分はこれが楽しい」と思っているものを、みなさんと共有して、一緒に楽しもうとすることです。まず自分が「楽しむ」ことで、それに参加してくださった方々も「楽しい」と思っていただけるようになる。そのとき、「特別な人間」になることができるのです。
僕の場合は、そのひとつが「お肉」でした。
僕は、営業マンとして、和洋中まんべんなく「行きつけのお店」をつくって、さまざまなお客様との会食の場として利用させていただいています。特に、自分自身が大好きな肉料理のお店に関しては、お客様との会食の場という「仕事」の意識ではなく、自分が楽しむために徹底的に追求してきました。
名店と呼ばれるお店に行きまくって、そのなかでもお気に入りのお店を見つけたら、徹底的に通って「馴染み」にしていただいてきました。そうしたお店は、どれも「予約の取れないお店」として知られていますが、オーナーと“ファミリー”のようなお付き合いをさせていただいているおかげで、優先的に予約を入れていただけるようにもなっています。
そこまでしてきたのは、「営業に活かせるから」という理由ではなく、「自分が最高の肉料理を食べたい」「この美味しい肉料理を素敵な人たちと一緒に食べたい」という願望を満たすためです。ところが、そこに大きな「価値」が生まれます。
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。