コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大成建設、鹿島などの「ゼネコン」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
大成建設、大林組は
前年同期比約5%の増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・大成建設
増収率:5.4%(四半期の売上高2832億円)
・鹿島
増収率:3.0%(四半期の売上高4538億円)
・大林組
増収率:5.1%(四半期の売上高4364億円)
・清水建設
増収率:0.8%(四半期の売上高3166億円)
※4社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の当該四半期の決算短信における開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない数字を用いている。
ゼネコン業界4社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。
次ページ以降では、増収率5%台を記録した大成建設、大林組を中心に増収の要因と、時系列の変化を詳しく解説する。前年同期比増収だった大成建設が抱える今後の課題とは何か。ぜひチェックしてみてほしい。