仕事や人間関係、お金、将来についてなど、心配事を抱えている人にぜひ読んでほしいのが、2021年8月に発売されるやいなや即重版が決定した、『宇宙人が教える ポジティブな地球の過ごし方』だ。
著者のthe Planet from Nebula(ザ プラネット フロム ネブラ)はアメリカ在住の精神世界の探検家で、「宇宙人」とのチャネリング(交信)を通して、「自分らしくないものを手放し、ポジティブに生きる方法」を提案している。
著者が2011年に開始し、毎日更新しているブログは「内容が深い」「読んでいるうちに自己肯定感が高まる」と評判。アメブロのジャンル別ランキング1位の常連で、月間134万PVを記録するなど、カリスマ的な人気を誇る。
今回は本書の中から、「よいアイデアを思いつく方法」についての項目を一部抜粋、編集して紹介する。
遊びの企画だったらいくらでも出るのに…
冷たい小雨が降る日、会議に出席するため、車でシアトル市内にやってきていた。
会議室の入っているビルの前には急な坂道がある。雨の中の坂道発進は、本当に恐ろしい。
ブレーキとアクセルを両方踏んで信号待ちをしていると、うしろの車がぴったり近づいてきた。
「おいおい、もっと離れていてくれよ~」
坂道発進するときは、どうしたって車が下がってしまうんだ。
うしろの車を見てみたら、なんと、運転席で同僚のトオルがニヤニヤしている。
駐車場に着くと、「やぁ、さっきは大変そうだったね。バックミラーに映る君の真剣な顔がおもしろくてさ。ついつい、からかってみたくなったんだ」。
そう言って、トオルはさわやかに笑った。トオルは男気のある豪快なやつで、誰からも人気がある。
「そういえば、新しいプロジェクトの企画はどうなったんだい? たしか君がまとめ役だったよね?」
「それが、あんまりいい反応がなくってね」
あの豪快なトオルがしょぼくれている。やる気が起こらないし、気分が乗ってこないと言う。
「マネージャーに嫌われたかもしれないな」
めったに泣き言を言わないトオルが、めずらしく消極的になっていた。
その日の会議は、新人による企画のプレゼンがあった。
焦点がしっかり絞られていてわかりやすいし、聞きやすい。企画も申し分ない。
私のとなりに座るトオルが、私のノートに「×」を書いて、声を出さずに「俺のは全然アカン」と言った。その表情がおもしろくて笑いそうになった。
会議が終わったあと、トオルと昼飯を食べに外に出ることになった。
この辺はこじゃれた店が立ち並んでいるので、レストランはすぐに見つかる。
レストランのテーブルについて食事を待っている間に、トオルは「遊びの企画だったらいくつでも出せるんだけどな」と言って白い歯を見せて笑った。だけど、ちょっと落ち込んでいる感じだ。