埼玉県の鉄道はどのようにして現在の形になったのだろうか埼玉県の鉄道はどのようにして現在の形になったのだろうか Photo:PIXTA

今年11月14日で、誕生から150周年を迎える埼玉県。1883年に県内初の鉄道が開業し、その後、東京を中心とした交通ネットワークにおいて重要な役割を担ってきた埼玉県の鉄道網の歴史とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

今年11月で
埼玉県誕生から150年

 大人になるまで知らなかったが、いわゆる「県民の日」は全ての県にあるわけではないらしい。加えて公立学校が休みになるのは東京都、埼玉県、千葉県など関東地方の一部だけに見られる風習(?)なのだという。その恩恵を被った筆者を含む埼玉県民にとってなじみ深い日付が11月14日だ。

 なぜこの日が県民の日になったのかといえば、廃藩置県を受けて設置された忍県、岩槻県と、旧幕府領を管轄していた浦和県が合併して、1871年11月14日に誕生したのが「埼玉県」だからだ(ただし、当時の日付は旧暦)。つまり、今年は埼玉県が誕生して150周年という記念すべき年だったのだ。

 かつては東京とともに「武蔵国」だった埼玉県は、(好むと好まざるとにかかわらず)今も雇用や消費、文化などのさまざまな面で東京と密接不可分な関係にある。そんな埼玉と東京をつなぐ血管が、鉄道網だ。