京浜東北線JR東日本は京浜東北線でワンマン運転化を検討し始めた模様だ Photo:PIXTA

JR東日本は、埼玉県と神奈川県を結ぶ京浜東北線で、車掌が乗務しないワンマン運転化を検討し始めた模様だ。さらに将来的には運転士が乗務しないドライバレス運転も視野に入れる。その狙い、および実現のための課題とは何か。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

京浜東北線が
ワンマン運転を検討

 共同通信は6月27日、JR東日本が京浜東北線のワンマン運転化を検討していると報じた。

 同報によれば、2024年度をめどに、車両側面に設置したカメラで乗客の乗降を確認できる機能や、ボタンを押すだけで出発から停止まで列車を制御するATO(自動列車運転装置)を備えた新型車両を投入する計画だという。

 JR東日本は2018年、東京圏の主要路線全駅にホームドアを2032年度末までに整備する計画を発表しており、これによりホーム上の安全を確保するとしている。ホームドアの設置と新型車両の導入が完了次第、車掌が添乗せず、運転士のみが乗務するワンマン運転の実施に踏み切る模様だ。

 JR東日本をはじめとする鉄道各社は人口減少に伴う採用難に対応するため、鉄道事業の省力化を推進している。

 昨今、さまざまな業界で人手不足が叫ばれているが、新成人人口の推移を見るだけでも、その理由は明らかだろう。2000年に164万人だった新成人は、2010年には127万人、2020年は122万人に減少しており、2036年には100万人を切る見通しだ。

 つまり、今後は同じ業務をより少ない人数で回さざるを得ないのである。かつては男性の職場という印象の強かった鉄道業に女性の進出が目立っているのも、こうした背景があるからだ。