デジタルユーロにも「マイナス金利」?欧州で進む新通貨の全貌Photo:123RF

デジタルユーロは既存インフラを活用か

 欧州では、キャッシュレス先進国のスウェーデンが比較的早期からCBDC(eクローナ)の開発に着手してきた。そして、ここにきてグローバルステーブルコインの動向をにらみながら、欧州中央銀行(ECB)を中心にデジタルユーロの実現に向けた動きが加速している。

 ECBでは、デジタルユーロの実現に向けて、既存の決済インフラの活用を含めて幅広い選択肢を検討している点が注目される。そのうちの第1案は、ECBが提供するリテール資金取引の即時決済システム(TIPS)をそのまま利用する案である。ECBでは、TIPSによって24時間365日決済を実現していることから、これをアカウント型CBDCの発行にも利用しようという考え方である。