入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。

【弐億貯男の株式投資で2億円】「IPOセカンダリー投資」は究極の“手抜き投資”Photo: Adobe Stock

ブックビルディングはローリスク&ハイリターン

IPO銘柄へ投資するタイミングは3つあります。

【弐億貯男の株式投資で2億円】「IPOセカンダリー投資」は究極の“手抜き投資”

このうち1 ブックビルディングと3 セカンダリー投資の2大タイミングをつねに射程に置きましょう。

そこで、まずはブックビルディングについて、さらに詳しくお話しします。

私自身はIPOのブックビルディングへの応募を10年以上前から続けています。

ブックビルディングでは、たとえ当選しても100株しか手に入りませんが、2008年のリーマンショック以前は1単元あたりの株価が高かったことと、公開価格に対して何倍もの初値がつくケースが多く、当選して初値で売るだけでかなりまとまった差益を得られました。

過去の投資記録から、私のIPO銘柄の実績を紹介します。

【弐億貯男の株式投資で2億円】「IPOセカンダリー投資」は究極の“手抜き投資”

これらは、いずれも「初値売り」での損益です。

初値売りとは、上場初日の初値で売ることで、シンプルかつ王道的な手法です。

IPOのブックビルディングに応募し続けるだけで、私は過去これだけの利益を上げてきました。

ー10万円となっている神戸物産は、いまでこそ上場時から株価が100倍近くまで成長しましたが、上場時は不人気で公開価格を大きく下回る初値となり、それ以上の損失を限定するために初値売りで損切りしてしまいました。

このようにブックビルディングへの応募は、まったくのノーリスクとはいいませんが、ローリスク・ハイリターン(ただし抽選に外れ続けるとノーリスク・ノーリターン)といえます。

外れ続けても、根気よく応募する価値はあります。

ちなみに初値売りで大きな利益を上げた銘柄の株価がいまどうなっているかは、あえて気にしないようにしています(笑)。

IPO投資の2大タイミング

私は2012年頃からIPOの「セカンダリー投資」に力を入れています。

IPOのセカンダリー投資とは、上場前後は人気を集めていたIPO銘柄が、上場してからしばらく経って人気が下火になり、株価が割安になったタイミングでコツコツと拾っていく投資法です。

IPO銘柄は大きな人気を集めており、ブックビルディングは軒並み高倍率になっている現状からすると、IPOのセカンダリー投資こそ、「割安成長株」を見つけるためのもっともおすすめの“手抜き投資”といえます。

セカンダリーとは、「2次的な」という意味です。株式市場では、すでに発行済みの株式を投資家の間で売買することを「セカンダリー」と呼びます。

考えてみると、通常の株売買はすべてセカンダリーなのですが、IPO銘柄への2次的な投資をとくに「IPOセカンダリー投資」と呼んでいるのです。

拙著『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の48ページの5つのポイントをスクリーニングしたり、IPO時の目論見書や成長可能性の説明資料、上場時の社長インタビューなどをあたって、「割安成長株」と判断した銘柄に目星をつけます。

【弐億貯男の株式投資で2億円】「IPOセカンダリー投資」は究極の“手抜き投資”

IPO直後の過熱感がクールダウンし、株価が落ち着いた銘柄や投機対象の圏外になっている銘柄を割安感が出てきたタイミングで拾うのが、IPOセカンダリー投資の最大のポイントです。

IPOセカンダリー投資は、「割安成長株」が手っとり早く見つけられる究極の“手抜き投資”なのです。

IPO銘柄は上場直後は買いが売りを上回り値上がりしますが、そのうち売りも増えて値下がりしつつ、需要と供給が落ち着いたところで、今度は「見直し買い」が入ります。

見直し買いとは、人気圏外だった銘柄が、なんらかのきっかけで見直されて買い注文が入ることです。

IPO銘柄は、基本的には成長戦略を持って上場しますから、業績の成長に応じて、その後の株価上昇も期待できます。

数ヵ月前にIPOした銘柄だけでなく、1~3年前にIPOした銘柄までさかのぼって、IPOセカンダリー投資の対象を探してみるのもおすすめです。

IPOして1年以上経つ銘柄であれば、IPO銘柄というだけで人気が集まり、実力以上の株価になっている恐れもありません。

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