実は全世界の人々が習慣にしてきたこと
ところで、本書の特色は、「祈る」「聖書を声に出して読む」といったアドバイスがあることです。これは、著者が牧師であり、その立場から語っているためです。キリスト教的な要素に躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、よく考えてみると、わたしたち日本人も太古から多くの神に祈りを捧げています。これほどまでに、全世界の人々が習慣にしてきた「祈る」という行為。効きめがありそうですよね。
先ほどの例でわたしが一番感銘を受けたのは、著者と夫妻が新社長の幸運を祈ったことです。青春小説などではライバルの健闘や幸運を願ったりする場面はよくありますが、現実にそれを実践するのは難しいことだと思います。祈る前に、嫉妬や恨みなどの消極的で後ろ向きな思いを整理しなければならないからです。
でも不思議なもので、「祈ること」を習慣にすると、消極的な考えが自然と消え、ライバルの幸運を願う気持ちと、それを支える決意を照れることなく口にすることができるようになるのです。
わたし自身も、試しに、かつて苦手意識を抱いていて、いまはもう会うこともない昔の同僚の幸せを祈ってみました。すると、心が晴れ晴れとして、実際に、そうした人が存在したことさえ忘れてしまいました。
祈りの形式はどんなものでもいいようです。著者が言うように、読者のみなさんも、祈りの力を借りてみてはどうでしょうか。
多くの自己啓発書にも書かれているように、周囲の人々の成功のために手を貸すことが自分の成功につながる、というのは本当なのだと、この本は教えてくれますよ。
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