「スカートめくりをしちゃういたずらなむすめ」に設定されていたのは、北海道・定山渓温泉の「温泉むすめ」である「定山渓泉美」。定山渓温泉にはかっぱ伝説があり、ご当地のマスコットにもなっている。

「定山渓泉美」も、テーマカラーが緑色であることから、かっぱをモチーフとして考案されたキャラクターなのだろう。「趣味」が「いたずら、人を驚かせること」、「好きなもの」が「きゅうり、魚全般」であることも、それをうかがわせる。

 このことから、ネット上ではかっぱが尻子玉を抜くという言い伝えから、「スカートめくり」が発想されたのではという推測が散見される。

 制作側が各地に伝わる伝説や名産品を参照しながら、それぞれのキャラクターの個性を打ち出そうとした苦労は理解できる。しかし、「いたずら」もしくは「尻子玉」から「スカートめくり」を発想し、それをそのまま掲載してしまうのはうかつすぎるだろう。

過去には議員も炎上
「スカートめくり」の世代間ギャップ

 近年になり、「性的同意」の概念が広まりつつある。性的な接触を持ちたいと思った場合には相手の同意を確認することが必要であるという、ごく当たり前の話なのだが、これまでは性的なタブー感からこのような話は曖昧にされる傾向があった。

 子どもへの性教育でも、特にプライベートな部分については触らせてはいけないし、他人を勝手に触ってはいけないといった内容が教えられている。他者と自分の境界を大切にしようという教育だ。

 たとえば、今年の7月に発売された絵本『だいじ だいじ どーこだ?』(作・遠見才希子、画・川原瑞丸、大泉書店)では、体の部位の名称を教えるとともに、「からだの とくべつ だいじなところは かぞくでも ともだちでも せんせいでも じろじろみたり かってに さわったりしない」といった文章がある。

 このような教育が普及していることを考えれば、スカートめくりがなぜいけないのかは自明である。