くら寿司がコロナ禍の「マグロの目利き」に、AI人材を活用する理由写真はイメージです Photo:PIXTA

今、あなたがどんな仕事をしていても、コンピュータやソフトウェアをはじめとするIT関連の技術に無関心ではいられないはずです。あらゆることがインターネット経由でつながっている今、「ITのことはIT関連の企業におまかせ」とは言えない状況になりつつあります。文系の人もテクノロジーとうまく付き合ってビジネスをしていく必要があります。『超実践! AI人材になる本-プログラミング知識ゼロでもOK』(監修・大西可奈子、出版・学研プラス)から抜粋・一部編集して紹介します。

現代ビジネスパーソンの必須スキルはAI

 私たちの働き方や仕事の形態はAIの進出によって、さまざまな変化をしてきました。今後はさらに進化を遂げることが予測され、会社の規模や業種にかかわらず「デジタル技術」とは無縁ではいられません。

 最近は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉もよく耳にします。DXという言葉は、「最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業の変革」という意味で使われています。そして、このDXを推進するためには、デジタル技術を使うための基盤、体制、人材が必要です。

 「デジタル技術」にはさまざまなテクノロジーが含まれますが、そのなかでもっとも潜在能力があり、大きな期待が寄せられている技術がAIなのです。

 AIはデジタル技術の核心部分です。

 欧米や中国では、AIを搭載したソフトウェアやシステムを開発するAIエンジニアが急増しています。日本でも「AIエンジニア(AI分野を専門とするエンジニア)」と呼ばれる人が増えています。自分でイチからプログラムしなくても、マウス操作だけで簡単にAIを構築できるツールも数多く提供されているため、AIエンジニアの技術的なハードルも下がりました。

 まだまだ人材は不足していますが、これからはITエンジニアからの転身も見込めそうです。

 その一方で、AI事業を企画・推進できる「文系AI人材」は圧倒的に不足しています。

 この場合の「文系AI人材」とは、非エンジニアのことで、AIプロジェクトを推進する役割を与えられた人を指しています。AIプロジェクトのプランナーやプロジェクトマネージャーの役割をになう人材も含めて「文系AI人材」と呼ぶことにします