コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、ビール業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ビール3社はいずれも
前年同期比減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のビール業界3社。対象期間は21年7~9月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キリンホールディングス
増収率:マイナス5.1%(四半期の売上収益4625億円)
・アサヒグループホールディングス
増収率:マイナス1.7%(四半期の売上収益5867億円)
・サッポロホールディングス
増収率:マイナス5.2%(四半期の売上収益1094億円)
ビール業界の3社は、いずれも前年同期比減収となった。
前年同期の実績を下回った要因とは何だったのか。次ページ以降では、データを踏まえて各社の事情を解説する。