一般の教育で道標となるのは、「一個人」ではなく「多くの子供たち」を対象にした実験の結果だ。『「学力」の経済学』の著者である中室牧子氏が教育の効果を科学的根拠から解き明かす。

「週刊ダイヤモンド」2017年1月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

科学的根拠から導き出された
「教育の効果」に関するクイズ4問

Q. 子供の学力を上げるにはどちらが効く?
(1)テストでいい点を取れば褒美をあげる
(2)本を1冊読んだら褒美をあげる

Q. 子供への褒美は何がいい?
(1)やっぱりお金
(2)お金である必要はない

Q. 子供がテストでいい点を取ったとき、どちらの褒め方がいい?
(1)「頭がいいね!」
(2)「よく頑張ったね!」

Q. 小学校〜大学などの各教育段階で、人的資本(人間が持つ知識や技能)に対する投資の収益率が最も高いのはいつ?
(1)高校や大学のときが収益率は最も高い
(2)小さい子供のときが収益率は最も高い

「教育経済学」の専門家である中室牧子氏の答えは?次ページ以降では、中室氏が科学的根拠を基に教育の効果を解説する。