コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本電産、村田製作所などの「電子部品」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
京セラ、TDKは
前年同期比2割超の増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界5社。対象期間は21年7~9月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本電産
増収率:11.6%(四半期の売上高4632億円)
・村田製作所
増収率:10.2%(四半期の売上高4685億円)
・京セラ
増収率:20.2%(四半期の売上高4556億円)
・TDK
増収率:24.2%(四半期の売上高4741億円)
・日東電工
増収率:14.3%(四半期の売上収益2222億円)
電子部品業界の5社は、いずれも1~2割超の大幅増収となった。特に、京セラ、TDKは前年同期比増収率が20%を超えている。増収要因は何だったのか。
また、時系列推移を踏まえると、増収率で絶好調といえる企業の存在が浮かび上がる。その企業とは。次ページ以降で詳しく解説する。