コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
半導体関連業界4社増収
レーザーテックは減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・東京エレクトロン
増収率:36.0%(四半期の売上高4805億円)
・ルネサスエレクトロニクス
増収率:44.6%(四半期の売上収益2584億円)
・アドバンテスト
増収率:17.4%(四半期の売上高909億円)
・レーザーテック
増収率:マイナス30.8%(四半期の売上高91億円)
・ディスコ
増収率:42.5%(四半期の売上高678億円)
※東京エレクトロン、ディスコは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
半導体関連業界の5社はレーザーテックが前年同期比3割の減収、その他4社は増収となった。
需要の急拡大で好調が続く半導体関連業界。半導体検査装置を手掛けるレーザーテックもその恩恵を受けて成長してきた企業の一つだが、この四半期では前年同期比で大幅な減収となっている。この要因は何だったのか。
次ページ以降では、時系列データの推移を交えて各社の業績を詳しく解説する。