12党、約1500人の候補者による総選挙が始まった。まるで関ヶ原でいくつもの合戦が同時に繰り広げられるような様相だ。
だが、政策対立(争点)も政党対立も有権者によって次第に整理され、最終盤にはきわめて明確な構図となるだろう。
自民VS民主、維新VS未来
2つに分かれた「タカとハトの戦い」
(1)まず、総選挙の争点は、①統治構造の改革が最大の争点になる。
具体的には、消費税増税に先行する税金の無駄使いの根絶。それが統治構造改革論議の糸口となる。それと②脱原発か続原発か、すなわち今後の原発政策が各党に厳しく問われることになる。
なぜなら、既に本欄で指摘してきたように、この2つの問題こそ、第三極の流れが生まれ、それが“豪流”と化した紛れもない原因だからだ。逆に言えば、これら2つの問題が深刻でなければそもそも第三極の流れは小川のせせらぎの域を出なかっただろう。
(2)思想、理念の流れも明確に整理されざるを得ない。
野田佳彦首相はこれに着目し、安倍(晋三)自民党の憲法改正論や外交・安保の強硬論を批判することに活路を求めた。
しかし、有権者は、野田首相と安倍総裁がほぼ同様の思想基盤に立っていることを知っている。
この野田戦略、すなわちタカ派自民党に対抗するハト派勢力の結集という戦略は、嘉田(由紀子)日本未来の党の出現によって空振りに終わる恐れが出てきた。
結局、タカとハトの戦いは、自民対民主、そして石原(慎太郎)日本維新の会と日本未来の党の2つの戦いとなりそうである。有権者の目がこの2つのどちらに傾くか、その点が注目される。いずれにしても、一方の戦いに目が集中することは間違いない。