週刊誌や単行本からテレビやラジオまで、最近のメディアの動向を見ていると、「絶対に儲かる××売買」とか「半年で資産が2倍になる魔術」とか、とてもおいしい話が転がっているように見えます。でも、本当にそんなに簡単に儲かると思いますか? シロウトが投資を始めて半年で資産が本当に2倍になると思いますか?
答えは「ノー」です。
そりゃ、中には、株価が落ち込んでいたときに、たまたまお金に余裕があって、超ラッキーにも、しこたま株を買い込んだという人は、少しは儲かっていると思いますが、それでも2倍、3倍なんて、まずありえません。そんなに儲かっている人がいたら、まずインサイダー取引ではないかと疑いますね。そんなの考えられないからです。
ぼくのいる金融の世界には、有名大学を出た非常に優秀なファンドマネジャーのプロフェッショナルがいっぱいいます。そういうプロのファンドマネジャーが100人いたとして、そのうち何人が儲かっていると思いますか? 実は、
プロ100人中95人は損をしています。
これは、これまで長年の間、投資ビジネスをやってきたぼくの印象です。知り合いがもし運用会社にいるなら、聞いてみてください。おそろしいくらいピッタリ当たっているはずです。ぼくのまわりでもそうです。株で数千万円の損を抱えて、まだ塩漬けにしている(損をした株を漬物のように長く持っているような)人も数名います。それじゃあ、どうして儲かった人の話をよく聞くのでしょうか? それは、
儲かった人しか話をしないから
です。「おれ、100万円損をしたんだ」なんてみんなに言い回る人がいますか? ご自分に立場を置き換えてみてください。