株式投資で唯一絶対に正しい
たった一つのこと

 ではなぜ、成長株の長期保有がよいのだろう。株式投資についてはさまざまな考え方や理論があるが、唯一絶対正しいことがある。

「株式の価値は、その企業が将来にわたって生み出す全てのキャッシュフローの現在価値の合計である」ことだ。

 わかりやすく言えば、企業の価値とは「稼いで利益を生み出す力」のことであり、それが「将来にわたって継続することができるかどうか」ということなのである。「短期的な動向=人の心の動きを読む」のは難しいが、企業の稼ぐ力や将来性については、ある程度の勉強をすれば予測することは全く不可能ではない。

 実際、株価というのは短期的にはその時々の人気によって動きはブレるものの、長期的にはその企業の利益の増え方と一致していく。前述した(1)のやり方はその人気を読むことであり、(2)は利益の増え方を考えるというやり方だ。

(1)の方法は、自分の生活のかなりの時間を費やさないと実現できないだろうから、普通の人が仕事と並行するには無理がありすぎる。やはり多くの人にとっては(2)の方法が適切だと考えるべきだろう。

 ただし、そのためにはある程度の勉強をする必要がある。株式投資は楽をしてもうける方法ではない。それなりに自分でいろいろと調べ、自分の頭で考えて考え抜かないと利益を得ることはできないと言っていいだろう。

 さらに言えば、短期的な株価の動きに惑わされることなく、長期に保有することでその成長性を享受することが大切だ。

 例えばアメリカのamazonが上場したのは1997年5月だが、その時の株価は1.73ドルだ。直近、12月14日の株価が3381ドルなので、24年間で2000倍近くになっている。

 そこまでさかのぼらなくても、リーマンショックで下げる前の2008年8月には80ドルぐらいだったから、そこから見ても株価は約42倍になっている。仮にリーマンショック前に100万円投資していたら、その直後に暴落したものの、現在まで10年あまり保有することで4200万円を超えていることになる。つまり短期的には大きく下落することがあっても、長期的に成長する企業の株を保有し続ければ報われるということであり、そういう企業を見つけることが大事なのだ。