コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスの「ファストフード」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ファストフード3社は
いずれも2桁増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のファストフード業界3社。対象期間は21年7~9月の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本マクドナルドホールディングス
増収率:14.9%(四半期の売上高853億円)
・モスフードサービス
増収率:12.8%(四半期の売上高199億円)
・日本KFCホールディングス
増収率:10.8%(四半期の売上高261億円)
※モスフードサービス、日本KFCホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
ファストフード業界の3社はいずれも前年同期比で2桁増収となった。外食産業はコロナ禍で大きな打撃を受けている業界の一つだが、ファストフード3社の業績は好調だ。各社、高い増収率となった要因は何だったのか。次ページ以降で詳しく解説する。