日産がぶち上げたEV新計画
反転攻勢なるか
日産自動車が2030年に向けての長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表した。Ambitionとは、“大志や野望”を指す。内田誠社長は「この長期ビジョンは、日産がどこに向かっていくのか。10年かけて進めていく羅針盤であり、日産全体が共有していくもの。日産のDNAであるチャレンジ精神、“日産ならでは”を追求していく」ことを強調した。
このNissan Ambition 2030は、「共に切り拓くモビリティとその先へ」というスローガンの下、2030年までに電気自動車(EV)を中心とした電動化戦略を意欲的に進めていき、日産を世界の電動車リーダーに、という野望を“再び”実現させようというものだ。
あえて“再び”と言うのは、かつてカルロス・ゴーン政権時代だった11年前の2010年12月に、他社に先駆けて日産初の量産EV「リーフ」を市場投入している実績があるからだ。当時のゴーン社長は「ルノーと合わせてEVを150万台販売する」とぶち上げたのだ。
さらに、16年に三菱自動車を傘下に収めたゴーン元会長は、22年までのルノー・日産・三菱の企業連合の6カ年にわたる中期計画を17年に発表し、グローバル販売1400万台以上の世界トップを狙うとともに、「EVのアライアンスリーダーとなる」とまで宣言している。
しかし、ゴーン最後の野望と言われた世界覇権の野望だが、量を追うあまり経営はゆがみ収益は低下、最終的にはゴーン元会長の18年11月の突然の逮捕により終止符を打った。