トヨタが電池1.5兆円投資で示した「EV本気度」、ホンダはGMと連携拡大トヨタ自動車は車両と電池の一体開発で、電動車競争での優位性を発揮したい考えだ。写真は2020年の豊田章男社長 Photo:AFP=時事

トヨタが欧州勢の“BEV志向”に反発
電池巨額投資で優位を狙う

 トヨタ自動車は、2030年までに電動車の車載電池開発に対し1兆5000億円を投資する、と明らかにした。

 9月7日に開催されたトヨタの「電池・カーボンニュートラルに関する説明会」で、前田昌彦トヨタ自動車CTO(最高技術責任者)・執行役員は「トヨタの電池開発への考え方は、安全・長寿命・高品質・高性能・良品廉価のバランスを取ることで、そのためには車と電池の両輪で開発を進めることが重要だ。EV車両コストの大半を占める電池コストを半減させる」と、トヨタの電池開発の優位性を語った。

 以前から市販車への搭載が計画されていた新型の全固体電池についても、「20年代前半の全固体電池の実用化も従来通りに進んでいる」と強調した。

 5月に発表した電動化戦略では、30年にHEV(ハイブリッド車)を含めた電動車を800万台販売する計画のうち、BEV(バッテリー電気自動車)とFCEV(燃料電池車)の合計で200万台としていたが、前田CTOは「FCEVは商用に使う傾向が多く、BEVの比率が高くなりそうだ」という見通しも明らかにした。

 折しも現在、欧州では、ドイツで世界5大モーターショーの一つである、ミュンヘン国際モーターショー(IAA MOBILITY)が開催されている(9月7~12日まで一般公開)。そこでは、欧州メーカーから新型のEV(電気自動車)が相次ぎ披露されるなど、さながら“EVショー”といった様相を呈している。

 今回のIAAに日本車勢は不参加だ。こうした姿勢を見るにつけ、EVに積極的な欧州勢に比べて、日本車勢のEVシフトは出遅れているという指摘も聞こえてくる。

 だが、こうした声に反発するかのような動きを見せたのが、トヨタの今回の発表であった。