毎日忙しくやるべきことに追われ、気づけば「やりたいことができていない」と嘆く人も多いだろう。そんな時こそ、自分の感情をまず書き出してみよう。書くことは、不思議な自浄効果があるのだ。
習慣化のプロとしてこれまで5万人を指導し、1000人以上をコーチングしてきた古川武士氏が、行き着いた最も効果的な習慣は「書く」ことだった。必要なのはノートとペンのみ。自分と向き合い、本当に大切なことに気づけば、生き方は今よりずっとシンプルになる。自分を整理するための「書くメソッド」を体系化した書籍『書く瞑想』から、一部を抜粋して特別公開する。

1日の気持ちの「放電」「充電」を書き出すだけでストレスが緩和されるPhoto: Adobe Stock

「放電・充電ログ」で両面から網羅的に吐き出す

 私がお勧めする「書く瞑想」は、「放電日記」「充電日記」を書くことです。

 放電日記・充電日記とは、1日15分、それぞれ「ログ」「セルフトーク」を書くというシンプルな内容です。

1日の気持ちの「放電」「充電」を書き出すだけでストレスが緩和される「書く瞑想」は放電日記(ログ、セルフトーク)と充電日記(ログ、セルフトーク)の2つに分かれる

 これを日々重ねることで、気持ちのメンテナンスになると同時に、小さな成長や感謝、心の豊かさを発見できます。

 まず「放電ログ」「充電ログ」から紹介します。これは1日の放電(気分を下げたこと)、充電(気分を上げたこと)の出来事を洗いざらい書くことです。

 ここでは「箇条書きスタイル」で出していきます。

 別の記事で、より瞑想的に、独り言のように書き出す「セルフトーク」の手法も紹介しますが、まずは箇条書きスタイルで網羅的に書き出してみましょう。

 最初は、放電ログです。

「放電ログ」の書き方

「1日の中で、あなたの感情、気分、エネルギーを下げたものは何でしょうか?」

 この問いに対して思い浮かぶものをすべて網羅的に書き出します。

 たとえば、Aさんは次のような内容です。

【放電ログ】
・朝早く起きようと思っていたのに、7時半ギリギリに起きてしまった
・ついお昼ご飯を食べ過ぎてしまった
・洗濯物が山ほど溜まっている(たためていない)
・仕事で先週出さなければいけない報告書を、今日も先延ばししてしまった
・イライラして子どもに怒ってしまった
・家が片づいていなくてため息をついた
・友達との飲み会の約束をドタキャンしてしまった

 このようなマイナスは、1日にいくつもあるのではないでしょうか?

 これらは、Aさんの感情エネルギーを奪ったことという意味で、「放電」です。放電の感情をスルーして放置すると、どんどん累積していき自分の気分を落ち込ませます。

 しかし、このように書き出すだけで、自浄効果が出て、ストレスが緩和していきます。

 放電ログを書くと、日々の不安、心配事、後悔、葛藤、自己嫌悪、怒りなどのマイナス感情が浄化されて減っていきます。

 心の状態、生活の状態を良くするためには、放電を少しずつ減らしていくことが大切です。

 では、放電をなくせば心は豊かになるかというと、そうではありません。

 押し下げる要因が消えるだけで、マイナスがゼロに戻るだけです。

 ここで、もう1つ大切なのが、充電ログです。

「充電ログ」の書き方

「1日の中で、あなたの感情、気分、エネルギーを上げたものは何でしょうか?」

 この問いに対して思い浮かぶものをすべて書き出します。

 たとえば、Aさんは次のような内容です。

【充電ログ】
・書斎でゆっくり30分、読書ができた
・クイーンの音楽を移動の電車で聴いた
・腕立て、腹筋ができた
・じっくりと日記を書いた
・家族と一緒にご飯を食べることができた
・上司から「資料わかりやすいね」と褒められた

 充電ログを書くと、小さな達成感や感謝、学び、つながり、温かさなど、見過ごしていることを味わえて心の充足が得られます。

「書く瞑想」の結果、気持ちを下げるもの(放電)を減らして、上げるもの(充電)を増やすというアプローチで心がメンテナンスされていきます。

 不思議なことに、放電ログ、充電ログを書くだけで徐々に放電が少なくなり、充電が増えていきます。

 慌ただしい日常では、「考えること」が中心になり、「やるべきこと」に追われています。

 ストレスケアも、やりたいことを見つけることも、「感じること」を軸にすることが大切ですが、そのためには感受の時間を取り、習慣にしていくことが大切です。

 毎日、心で感じている放電ログ、充電ログを書き出しましょう。それぞれ「3分間」を推奨しています。

(本原稿は、『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』からの抜粋です)