書くと不安がなくなる。自分自身が整理される。そう経験的に感じている人も多いだろう。だが、それはなぜか、どういう書き方が効果的なのかを知っている人は少ない。不安な時代こそ、答えを自分の外にではなく、内に見出すこと。そのために有効なのが「書く」ことだ。
習慣化のプロとしてこれまで5万人を指導し、1000人以上をコーチングしてきた古川武士氏が、行き着いた最も効果的な習慣は「書く」ことだった。必要なのはノートとペンのみ。自分と向き合い、本当に大切なことに気づけば、生き方は今よりずっとシンプルになる。自分を整理するための「書くメソッド」を体系化した書籍『書く瞑想』から、一部を抜粋して特別公開する。
「書く習慣」で人生を変えていく
「書く」ことには様々な効果があることが学術的な研究からもわかっています。
不安やストレスを抑制したり、自分の感情を可視化することで客観的に自己認識したりすることができます。
目をつぶって行う瞑想も効果的ですが、書くことで瞑想するというアプローチは一般的には「ジャーナリング」と呼ばれています。
ジャーナリングは、グーグルがマインドフルネスを実践する独自の研修プログラム「Search Inside Yourself(SIY)」で有名になりました。同名の書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』(英治出版)でも紹介されています。
これは、心を静め、今ここに集中することで、ストレスレベルを下げ、集中力を向上させる効果があります。
ジャーナリングは、頭に浮かぶことを思いつくまま紙に書き出すというシンプルな手法です。グーグルで導入されていることから、ビジネス界でも広く注目を集めています。
ジャーナリングの素晴らしさは、手書きで瞑想的に書くことです。これは、心と向き合う上でとても有効な手法です。
一方、多くのジャーナリングを経験して達する限界は、書きっぱなしになってしまい、それ以上の自己対話が進まないということです。
よって、書くことによる瞑想効果を大切にしつつ、日々の記録を整理、洞察することで、深い気づきを得られるようにするには、次の3つのステップを行うことがお勧めです。
ステップ1:書く瞑想
「書く瞑想」は、ただ心にある言葉、感情、考えをすべて書き出すというアプローチです。
言葉を検閲することなく、芋づる式に、無意識的に書くことで、日々行っている行動・思考パターンに気づくことができます。
頭に浮かぶ論理や思考ではなく、「心」や「感情」にフォーカスして書くことで、浄化されて整っていきます。
書く瞑想は、1日の中でエネルギーを下げた「放電」と、エネルギーを上げた「充電」を書き出すことで日々、心に向き合っていきます。
ステップ2:書く片づけ
「書く片づけ」は、書く瞑想で日々書き出した内容を整理して「気づき」を生んでいくプロセスです。
人の本質的な変化は、気づき(洞察と着想)から生まれます。
書きっぱなしでは、深い気づきに到達することができません。
書く瞑想の魅力は残しつつ、その限界をカバーできるのが、書く片づけです。
不安や悩みを俯瞰して客観視し、負のサイクルから抜け出せ、自己探求によりやりたいことを見つけることができます。
ステップ3:書く習慣化
長期的な視点から自己対話と行動を相互に循環させ発展させていくためには、書いて気づくだけでなく、現実の中で実践してまた新しい気づきを得るという循環が大切です。
そのためには、「書く」を継続することが重要です。
長期で自己対話と行動を循環させていくことで、自分を理解し、真の願望にたどり着くことができます。
結果、人生はシンプルで充実したものになっていきます。
(本原稿は、『書く瞑想 1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』からの抜粋です)